携帯ゲーム機向けに移植されているので現在進行形でプレイされている人もあろう『FF2』について。気侭に書き付けよう。ややネタバレあり。
「のばら」
うーん、実に思い出深い言葉だ。合い言葉の使い方一つで、物語が急展開したり、パーティーが全滅の危機に晒されるという、当時としては画期的なシステムだった。これを利用した初期の経験値稼ぎの方法があったのだが、移植版でも健在なのだろうか?
方法は簡単。敵地に潜入し、街の入り口近くにいる将校に話し掛け、合い言葉を使うのだ。
「のばら」
正体がばれ、直後に戦闘になる。敵は中盤のザコキャラ・ジェネラル一体だが、レベル2~3のパーティーが太刀打ち出来る筈も無く。全ての攻撃はミス!にげられない!僅か4ターンで全滅。……あの美しいオープニングテーマを聞かされる羽目になる。
が、しかし。
ここが稼ぎ所なのである。この時点でパーティーには魔導士ミンウが参加している。ミンウはダンジョン脱出魔法テレポを持っている。テレポはレベルに関係なく攻撃魔法としても利用可能であり、1/10の確率で発動する。
ミンウ一人を後衛に下げ、3人は前衛で防御。まぁ防御しようが魔法を使おうが即死なのだが。チャンスは4ターン、確率は2/5。
戦闘開始!
一人、また一人と仲間が倒れる中、ひたすらにテレポを唱えるミンウ。
1、2、3、……。
こうして幾度となく全滅を繰り返す内に、当然数回は成功する事がある。成功すると、ジェネラルは「黄金のよろい」「ほのおの弓」「こおりの弓」等を実に気前よく落としてくれる。序盤から大儲けである。その代償として、人生の貴重な時間を失い、一人の魔法使いが3つの棺をずるずると引きずる姿(*註)を見るハメになるのだ。普通のプレイヤーだったらとっくに次のエリアに移動している。
最終的に装備が充分整う頃には、ミンウのテレポのレベルは10まで上がり切っている。そして別れの時。あなたは彼の「ぎんのむねあて」と「木のつえ」を、思い出の品と称して剥ぎ取るだろう。
こんなギャンブルに命を賭けるプレイヤーにとっては、ただのデータに過ぎないキャラクターといえど、いつしか愛着が湧くのである。
だからこそ、究極魔法アルテマの威力に大きなショックを受けるのだ。
あんなヤクザなモノのために、ミンウが……。
こう思ったら、あなたは立派な逸脱ゲーマーである。
(*註)あくまでも比喩的表現であり、実際にはFFでは棺の画像は表示されない。先頭キャラの姿で移動するだけ。
(20061106)
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